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執筆者の写真林院長

ハブとマングース


幼少期の記憶が正しければ、玉泉洞に併設されたハブ博物公園のショーでマングースはハブ?あるいはコブラ?と壮絶な戦いを繰り広げていたような気がする。

『ハイサーイ、マングースとウミヘビどちらが早いでしょう?では、よーいスタートっ!』

仕切りを開けた途端マングースはガラスケースの半分くらいまで水で満たされた水槽に落ちた。慌てふためいたマングースは死に物狂いで向こう岸の陸地目指して泳ぎ出した。水槽の水に落ちることで返って心地の良い環境に置かれ、泳ぐことはおろか微動だにしないウミヘビを尻目にマングースはあっという間にゴールした。苦笑いしながらショーを取り仕切る男性は言った。

,『ええ、私たちもこのレースの勝敗なんて興味ないんです。コブラとマングースの戦いを皆様にお見せしたいのですが・・動物虐待の問題もありますのでこれで我慢してください。』

BPOの審議入りだろうか、時代といえば時代と感じつつも何だか空虚な気持ちになった。

闘牛士が観衆の前で闘牛を殺める国もあるというのに・・

マングースは増え続ける島のハブ退治に期待されて琉球に連れてこられた挙句にショーですらハブをも退治できず、水を苦手とする動物なのに水泳レースをさせられるとはこれこそ動物虐待なのかもしれない。

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