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執筆者の写真林院長

陥入爪(巻き爪)手術


陥入爪は巷で言う巻き爪のことで、爪が自身の指に食い込み、傷つけることで痛みなどを引き起こす状態である。荷重がかかりやすい足の親指の爪になりやすく、深爪にしたり、ハイヒールや足先の窮屈な靴など自分の足の形に合わない靴を履き続けることが原因と考えられている。足の親指の爪の切り方については琴爪のようなスクエア状に切るとよいと思われる。靴選びに関しては足先にゆとりのあるもので、ヒールの高さが3cmを超えないものがよいと思われる。軽度の陥入爪治療には爪の食い込みを和らげるパッキングやテーピング療法が有用となることもある。中等度から重度の陥入爪の治療には爪の変形自体をワイヤーで矯正するVHO療法や陥入した爪自体を部分的に抜爪する陥入爪手術(フェノール法)がある。前者は保険の認可がおりていないので自費診療となるが、ほとんど疼痛のない侵襲の低い治療である。ただ、爪の変形が改善するのに4~12か月かかる。ワイヤーは1度の施術でおよそ1か月~3か月の間、矯正可能である。よって、ワイヤー矯正による治療は改善するまでに時間と費用がかかる印象がある。一方、陥入爪手術は保険での治療が可能であり、爪の幅が少し縮小するが施術後1~2週間で治癒見込みとなる。ただ、術後は運動を控えることや連日創部の軟膏処置を行う必要があるなど日常生活を送る上で多少制限がある。しかしながら、明確な統計は取っていないが、印象として施術後の再発率は陥入爪手術のほうがワイヤー矯正より低いと思われる。

イノシシのような出で立ちでバビルサという動物がいる。バビルサは自身の牙が伸びて脳天にに達することで死を迎えることがある。ゆえに死を見つめる動物などとなぞらえられることがある。この動物を知るようになってから、なぜか陥入爪で度たびバビルサを連想するようになってしまった。

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