先日、持病の定期検診で病院を訪れた。その病院は一次医療圏の中核を担う特定機能病院ということもあり、紹介状を持った多くの患者が利用する。その為、待ち時間が三次医療圏の診療所に比べたら長いことが運営側も想定しているせいか、利用する患者に順番が近くなったことを知らせるポケベルのようなものを渡していた。私もそのポケベルを受け取り、先に検査などを済ませてその結果を聞くために診察の順番を待っていた。ポケベルの知らせは院内であればどこにいても良いという説明を受けていたので、じっとして座っていられない私は院内の売店へ行ったり、院内図書室へ行ったりして時間をつぶしていた。実は、私は11時の検査に向けて前日の21時以降何も口にしていない。時計の針が13時を回っているのだが、ポケベルは沈黙したままである。診察を終えてから落ち着いて昼食をとりたい気持ちが勝り、これまで空腹に耐えてきたが、そろそろ限界のようである。私は空腹からのいら立ちも相まって受付に詰め寄った。
「すいません。こちらのポケベルは壊れていませんか?11時の診察で予約していたのですが、まだ呼ばれないていないです。」
「確認しましたが、こちらは壊れていないようです。お待たせして申し訳ありません。ただいまようやく10時半の方が呼ばれはじめているようです。もうしばらくお待ちください。」
その後、私は14時にようやく診察室に通されるのであった。
ちなみに、当院は診察までの待ち時間を少なくするためにスピーディーな診察は勿論、一人当たりの通院回数を減らすことで1日の来院患者数を制限するなどの努力を行っている。今後は待ち時間をお知らせできるようなオンラインシステムの構築なども検討している次第である。最近、当院を受診されたお子さんにこのような感想をいただいた。
「お母さん、ここは皮膚科じゃないよ。だって、こんなに空いているよ。」
皮膚科=待ち時間長いというイメージを払拭できたことを素直に喜んでよいのだろうか。