12月初旬頃、クリスマスのイルミネーションが夜の街を彩り、ツリーの賑わしに喜ぶ人々、その中で母子の会話に耳を傾けた。
『あんたサンタさんへの手紙はもう出したの?』
『まだだよ。』
『何が欲しいのか、早くサンタさんに手紙出しなさいよ。じゃないと、ジャポニカ学習帳になるよ。』
『ええ、やだよ。まだどっちのゲームソフトにするか悩んでいるんだよ。』
純粋にサンタを信じる男の子に会い、自分がいつまでサンタを信じていたのだろうと回顧する。薄明りの中、父親がこっそり枕もとの靴下にプレゼントを置いていく様を見てしまった時?友人からサンタなんていないよと悟らされたとき?
おそらく小学生高学年以降は、もうサンタなんて信じていないだろうなと思う両親とサンタを信じる体を演じる子という関係があったのではないかと思う。サンタを信じる体を演じなければ両親はプレゼントを用意してくれないと子供ながらにも感じていたのだろう。
本当にサンタはジャポニカ学習帳を贈ったりするのだろうか。少年よ、メリークリスマス。