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執筆者の写真林院長

高級料理


何をもって高級料理とするか。ホテルや百貨店での食事?キャビアやトリュフなどの高級食材を使用した料理?それとも価格?普段から昼食代をワンコインで済ませていれば、たまの1000円ランチは贅沢になり得るが、それでも高級料理とは言えないだろう。

以前先輩医師に付き合いで料亭に誘われたことがある。『高いお店だけど大丈夫?』と先輩は私に尋ねた。自分はごちそうする気がなく、割り勘という念押しの質問なのだろうか。高いと言っても一人当たり5000~10000円位だろうと思い、私はその誘いを快諾した。おいしいと言えばおいしい懐石料理ではあったが、特段感動する高級食材に出会うことはなかった。私の飲酒代は先輩がもってくれたようなのでその懐石料理はおよそ3万であった。ある一品で里芋の甘みを最大限に引き出すため4時間吹かしたとおかみの説明を思い出した。おそらく価格のおおよそは技術料なのだろう。テレビ番組で高級なワインと安いワインの利き酒をする場面で安いワインのほうを高級と見誤る人がいる。結局のところその人がおいしいと感じたものが高級なわけであって値段ではないのだろう。高い価格を知ればおいしいと感じざるを得ない雰囲気にのまれがちだが、私はたまの1000円ランチでも贅沢で満足である。

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