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執筆者の写真林院長

白髪


 白髪ができる理由はまだはっきりわかっていないが、もともと毛は白いものであってメラノサイトの働きかけによって黒くなる。何らかの理由でメラノサイトからの働きかけが得られないと白髪になると考えられている。

 髪の毛に限らず体毛などすべての毛には毛周期がある。毛が生えている状態を「成長期」(2~7年)といい毛母細胞とメラノサイトが働いている状態である。そして、「退行期」(2~3週間)と呼ばれる時期があり、毛が段々と抜けていく時期である。毛は抜けな後にしばらく「休止期」(3~4ケ月)という時期を迎え、この間に毛が出来る大元である幹細胞ができ、毛母細胞やメラノサイトに分化していく。分化して毛母細胞となった幹細胞が髪の毛そのものを生み出す。このときにメラノサイトが作り出したメラニン色素を毛母細胞が取り込み合成させ、黒い色となって毛穴から出てきている。おそらくこの過程で何らかの原因で幹細胞からメラノサイトが正常に分化されないと、白髪ができると考えられている。  活性酸素は、肌などの老化の原因になることはよく知られている。これは髪の毛にもいえることで、活性酸素が増加すると幹細胞が作られなかったり、メラニン色素がうまく合成されず白髪になったりするといわれている。活性酸素が増加する原因に『ストレス』がある。また、活性酸素は『紫外線』を浴びることでも増える。タバコに含まれる有害物質は活性酸素を増加させるので、『喫煙』も白髪が増える原因だろう。睡眠中に脳から出されるメラトニンは活性酸素を除去する。『睡眠不足』はメラトニンによる活性酸素の除去量が減り、白髪が増える原因と考えられている。

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