小さな女の子が走り縄跳びをしながら、私に語りかけてきた。
『その辺にハチがいるから気をつけて。』
『うん、わかった。ありがとうね。』
保育園の見学に訪れた先で園庭にお邪魔したところであった。遊具や砂場で遊ぶ子もいれば、ドッチボールの練習だろうか、ボールを投げあいっこしている男の子やひたすら駆け回っている子もいる。先生が見守る中、子供達が各々やりたいことをやりたいようにさせている。遊んでいる子供達の何とも生き生きとした表情を見ると、遊ぶことが幼児教育においての一番の学習のように感じた。
私も保育園時代はひたすら硬い泥だんご作りに勤しんだ記憶がある。友達と泥だんご同士をぶつけてどちらが崩れずに残るかを競う遊びだ。泥だんごを二層にして外層でぶつけた衝撃を吸収し、外層が崩れても内層を残す匠の技もあった。反則スレスレだが、泥だんごにした際に硬くなる土を園庭の外から持ち込んだこともあった。当時の遊びが将来どう役に立ったかなんてわからないが、どんなにくだらない遊びでも夢中になったことが少なくとも幼児の成長・発達に良い影響を及ぼしたのではないかと思う。