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執筆者の写真林院長


 虎の様相をシンプルに言い現わせば、黄色と黒の縞模様である。黄色と黒の組み合わせは、我々にとっては注意を引く組み合わせで、道路標識や工事現場の看板などで時々用いられており、危険や注意を喚起するイメージがある。

 動物園ではじめて虎と対面したわが子は『ヒィィッ。』と体を仰け反りながら怯えたものである。まだ物心つかない齢、本能的に危険を察知したのだろうか。

 人からすれば、こんなにも目立つ虎柄に気付かず狩られる動物がおるのかと不思議に思う。現存する虎は、シベリア東部から中国東北部、そして、スマトラ島の森林に生息する。虎は茂みに潜んで、猪や鹿などの草食獣を狩る。草食獣は色覚を持たない為、虎柄は茂みに同化した保護色(カモフラージュ)となり、虎の存在に気付かないようである。虎柄は色覚を持つ猿や人からすれば、目を引くものではあるが、色覚を持たない草食獣からすれば、カモフラージュ効果があるようである。

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