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執筆者の写真林院長

高齢者ドライバー


 昨今、高齢者ドライバーによる痛ましい交通事故の報道が相次いでいる。ドライバーの適正年齢を考え、年齢制限を設けるべきなのだろう。我が国では普通自動車免許の取得は18歳からとなっている。ドライバーには交通ルールを守り、危険などを予見し、的確な判断が求められる。ルールを守り、的確な判断が行える年齢がいわゆる18歳の成人とみなされる年齢なのだろう。

 『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』という映画がある。私たちは赤ん坊として誕生し、成長により大人となり、老化により老人となって最後に死を迎える。主人公は数奇なことにその逆の人生を歩んでいることが描かれている。しかしながら、その主人公の人生は私たちの人生とそれ程差異はなかった。つまり、保育を必要とする乳幼児と介護を必要とする老人は容姿は違えど立場はそれほど変わらないということだ。我が国では70歳より自動車免許を更新するにあたり講習が義務付けれれているが、70歳以上は18歳未満と同等の立場と考え、免許返戻を義務付けるべきではないだろうか。

 タクシー業界の平均年齢は58歳、65歳以上は3割近くに上る。特に転職に際して年齢制限を設けておらず、70~80歳の運転手もいるのが現状である。今は100歳時代といわれ超少子高齢化社会を迎えている。国の生産力は落ちて、消費力も低下している経済成長の供給面と需要面の両方で制約されている。そのため、年金・医療・介護などの社会保障制度の持続が難しくなっている。皮肉なことに政府は70歳までの労働をお願いしているようである。

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