最近、芸人が事務所を通さずに仕事を得ることを闇営業と言われているが、取分け営業先の取り引き相手が反社会的勢力であった場合を闇営業というのだろう。 2011年に全国で暴力団排除条例が施行されて以降、企業・病院が暴力団の威力を利用したり、暴力団の活動を助長するような取引を行うことを禁止し、事業者は暴力団との関係を立つことが求められている。しかしながら、医師は応召の義務がある為、たとえ患者が反社会的勢力であった場合でも診療を拒絶することはできない。患者を断わることのできない病院の場合、一般の企業に比べたら対応が少し遅れている面があると思われる。ただ、彼らの不当な要求は毅然として断らなければならない。 私が、以前勤めていた済生会川口総合病院は、土地柄?病院柄?のせいかよく反社会的勢力の患者が受診していた。その為、病院は暴力団関係の中では顔が知られた川口警察署の元署長やOBを警備顧問として再雇用し、様々な対策を講じていた。その対策の中でも私が何より驚いたのは、診察室に24時間テープレコーダーが設置されていたことだ。守秘義務もあったものじゃない。暴力のない社会への実現はなかなか一筋縄ではいかないのだろうか。