ニキビはアクネ菌などの細菌が原因である。マラセチア毛包炎は真菌、いわゆるカビ菌が原因である。マラセチア菌は皮膚に常在しているカビ菌であるが、汗、皮脂の分泌が増えやすい箇所でカビ菌は増殖し、毛包炎などの炎症を引き起こす。顔、前胸部、背部などが好発部位で、顔で生じた場合、ニキビとの鑑別が困難なこともあり、マラセチア菌が原因であれば、通常のニキビ治療ではなかなか治らないことがある。マラセチア毛包炎は梅雨の時期から夏過ぎ頃の高温多湿な時期に発症しやすい。治療は皮膚清潔を保つことが大切で、抗真菌薬の外用、内服で軽快する。