お盆過ぎくらいから日本の海岸はアンドンクラゲがよく見られる。丁度夏休みなどで海水浴場が賑わう時期なだけにクラゲに刺されて医療機関に受診する患者も増える。アンドンクラゲは3cm程度の立方形の傘をもつ小さく透明なクラゲで、刺されるとビリっとした痛みを感じる。とはいえ、刺されたことに気付かず皮膚症状を認めてからクラゲに刺されたかもしれないと自覚する人も少なくない。刺胞に含まれる毒素により様々な症状を呈する。痒みを伴う赤い発疹などの皮膚症状がでたり、呼吸苦や意識障害などのアナフィラキシーショックを引き起こすことがある。 クラゲに刺されたと思ったら、まずは触手がまだ張り付いてないか確認をし、出来たら素手で直に触れず、手袋やピンセットを介して除去をする。そして、海水であまり強く擦らないようにして患部を洗う。真水で洗うのは、浸透圧の関係で刺胞からの毒素の排出を促しかねないのでやめた方がよい。また、酢で洗うといいとよく言われているが、クラゲによっては毒素が不活化されるどころか増悪することもあるのでやめた方がいい。