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執筆者の写真林院長

オーストラリアから東京に進出したカフェ・バーへランチに訪れた。英語のメニューがあったり、応対は外国人スタッフであったり、何処となく海外の飲食店の雰囲気のままである。

ランチメニューをオーダーし、店員にメニューを渡すと、

『お水はどうしますか?ガス入り、ガスなし?』と問われた。

日本において、飲食店であまり水について問われることがないだけに一瞬返事に戸惑った。我々日本人はお店に入れば、おもてなしの精神か、自ずとお冷やが出てくると思っている。ましてや東京水道水は味は美味しく、いちいち水に対して注文する習慣がない。ところが海外では水道水の味が美味しいとは限らないらしく、また、地層の関係で天然水にガスが含まれているものもある。故にそのように飲料水について問う習慣があるようである。日本は一般的に軟水であり、和食にもあっている。動物性脂肪の多いバターやクリームを使用したフランス料理の場合はミネラルの多い硬水があうかもしれない。ああだこうだ考えているうちに普通の水でと答えにくくなり、

『ガス入りで、、』と返事をしてしまった。

会計後、やはりガス入りの水はタダではすまなかった。なんとグラス一杯800円也。よもや水がランチ代に匹敵しようとは、想像力が足らんかった。

『お水はどうしますか?ガス入り、ガスなし?』とまた問われたら、今度はこう答えるだろう。

『ただの水を下さい。』

この『ただの水』には何の銘柄のないただの水(水道水)と無料(タダ)の水、どちらにも解釈されるベストな答えだと思う。



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